薄毛に効く治療薬と言えば、プロペシアとミノキシジルが主体となっていますが、今新しい薬が注目を浴びつつあります。プロペシアより強力なので、プロペシアを服用して効果が得られかった人には試してみる価値はあると思います。
1.「ザガーロ」
デュタステリド(ザガーロ)は、2001年にアメリカで前立腺肥大症の治療薬として承認されました。その後、2009年に韓国でAGA治療薬として承認されています。日本では、2009年に前立腺肥大症の治療薬として承認され、昨年2015年9月にAGA治療薬としても承認されました。徐々に、デュタステリドを取り扱うクリニックは増えてきています。
1-1.どんな薬
ザガーロの主成分はデュタステリド(フィナステリドと同じく5α還元酵素阻害薬に分類されます)で、AGAに効果があります。その効果はプロペシアと比べると、より強力です。その理由は、フィナステリドの作用しないⅠ型5-α還元酵素をも阻害するうえに、Ⅱ型5-α還元酵素もフィナステリドの約3倍も阻害するため、DHTをより強力に抑制できるためです。
1-2.プロペシアとザガーロ
ザガーロとプロペシアは5α還元酵素阻害薬にあたります。<1-1.どんな薬>で紹介しましたが、ザガーロはプロペシアよりDHTの抑制力がより強力であり、発毛本数比も、ザガーロ0.1㎎に匹敵するプロペシアの量は1㎎になります。よって、プロペシアの使用で効果が得られなかった場合、ザガーロに切り替えることで発毛効果が得られる可能性があります。
では、ザガーロとプロペシアの併用ではどうでしょうか。プロペシアでの単剤と比較した場合、効果は上がりますが、もともとザガーロのDHT抑制効果が高いので、併用するメリットはないと思われます。
1-3.ミノキシジルとザガーロ
ザガーロとミノキシジルではどうでしょうか。ミノキシジルの効果は、血流を良くして毛母細胞を活性化させヘアサイクルの正常化を促すことです。プロペシアと同等に、ザガーロとミノキシジルを併用することで発毛の期待はさらに高くなります。
2.副作用について
副作用は、プロペシアと同じ副作用が見られ、服用している人の約17%の人に発症が見られます。多い順で、勃起不全、性欲減退、精液量減少です。他には、じんましん、頭痛、肝機能障害等があります。また、治療を始めて1ヶ月経った頃に一時的に脱毛する場合があります。脱毛する原因は解明されていませんが、しばらくすると脱毛も治まり産毛が生えてきます。
2-1.子作りは可能か
AGA治療をしている年代は30歳から40歳代が中心です。その中でも子供を望んでいる人は多いと思いますが、AGA治療薬の副作用として「勃起不全、性欲減退、精液量減少」があり、発症率は極めて少ないといっても心配だと思います。過剰に敏感になる確率ではないにしても、パートナーが妊娠中にデュタステリドやプロペシアに暴露された場合に、男の赤ちゃんであれば生殖器の奇形が生じる可能性も考えておかなければなりません。
2-2.休薬期間
子供を望んでいるのであれば、薬によるAGA治療は、子供に恵まれてもう望まない時期か休薬期間を設けましょう。ザガーロは約3~4ヵ月で体内から無くなります。ミノキシジルは子作りに影響がないので、ミノキシジル単剤ではAGA治療を続けることが出来ます。
また、服用中は輸血は禁止されています。献血等をするときは、休薬期間か服用をやめたあとにします。