最近は、薄毛に悩む女性が増えています。原因はいろいろあるのですが、ほとんどの場合、ヘアサイクルの乱れによって毛髪が充分に成長できなり、髪が細くなり地肌が目立つ結果となってしまっているようです。
男性ほど顕著に髪がなくなる訳ではありませんが、やはり気になるものです。髪は女の命、とも言われます。きれいでツヤ、ハリ、コシのある豊かな髪をキープするにはどうしたらいいのでしょうか。まずは薄毛の原因についてみていきましょう。
h3 class=”kiji” id=”1″> 1.女性の薄毛になる理由
男性の薄毛と女性の薄毛では、薄毛になる理由が違います。男性の薄毛はAGAで有名になっているのでご存知の方も多いでしょうが、遺伝子の問題が大部分を占めます。しかし女性では、主に女性ホルモンの減少によっておこります。
1-1.生えてきた髪が育たない
ごく一般的な環境に置かれた人の健康な髪であれば、髪は1ヶ月で約1.2㎝伸びます。ですが髪は永遠に伸び続けるのではなく、一定の期間を経ると自然に抜け落ち、またそこから新しい髪が生えてきます。自然に髪が抜けてから3週間ほど経つと、新しい髪が生まれます。1本の毛髪が成長しはじめてから抜け落ちるまでの周期を「ヘアサイクル」といい、そのヘアサイクルは髪の毛1本1本が異なるので、通常は一度にまとめて抜けることはありません。
これは脱毛をした際によく分かるのですが、目に見える毛すべてに脱毛レーザーを照射しても一度ではなくなりません。それはまだ表に出ていないものがあるから。つまり、ヘアサイクルの中で休止上体にあるものには効果がないのです。そのため、完全にきれいにするには一定のペースで続ける必要があるんですね。
またヘアサイクルは、女性では約5年前後で1サイクルします。このサイクルが乱れると、抜け毛や薄毛の原因となります。髪が抜けた後、休止期が長く生えてこない状態や髪の成長期に成長しない状態が継続して薄毛となります。薄毛を回復するには、このヘアサイクルを通常のサイクルに戻し、生えてきた毛髪を正常に成長させる必要があります。
1-2.ホルモンの乱れ
女性の場合、加齢や更年期障害による女性ホルモンの減少や妊娠出産などによるホルモンバランスの変化が原因となります。女性ホルモンが優位である女性は基本的にひどい薄毛に悩まされることはないのですが、バランスがおかしくなるとどうしても男性ホルモンが優位になってしまう場合があります。
その際、遺伝子に男性のAGAの原因となる酵素、5αリダクターゼを持っていると薄毛が進行しやすくなるのです。男性とは違って一部だけがハゲてくる訳ではないので分かりにくいのですが、クリニック等で遺伝子検査をすると判明します。その際、女性にもFAGA(女性のAGA)という病名が付きます。
女性ホルモンは、30歳代から減り始めます。そして、40歳代で急激に減少します。女性ホルモンのエストロゲンは毛髪と深い関わりがあり、毛髪を育てる役割があります。そのため、女性ホルモンが減少したりバランスが崩れたりすると、ヘアサイクルに影響を及ぼします。
ホルモンバランスを安定させるには、規則正しい生活と女性ホルモンを補うような食品を摂るようにする、身体を冷やさない等、日々気を付けることでバランスを取り戻すことは可能です。
女性ホルモンを補うものとしては、イソフラボンが代表として挙げられます。大豆製品に含まれるイソフラボンは女性ホルモンであるエストロゲンと同じような働きをしてくれます。豆腐、豆乳、納豆、みそなどいろいろなものに含まれています。また、ざくろにはエストロンというエストロゲンの一種が含まれています。今は果汁を使ったグミやジュースなどが多くなっていますので、これを取り入れるのもお勧めです。
※エストロゲンの一部は、脂肪細胞から生産されます。痩せすぎると脂肪が少なくエストロゲンを生産できません。女性には脂肪細胞が必要なのです。本当に髪や身体のことを考えるのであれば、極端に栄養を制限して激ヤセを求めず、適正な体重維持を心掛けましょう。
<パートナーと同じ育毛剤を使わない>
経済的でいいからと、ついつい夫婦で育毛剤を共用しようと思うかもしれませんが、基本的には女性が男性用の育毛剤を使ってはいけません。副作用で、頭髪以外の毛が生えてきたりします。また、安易に男性が飲んでいるAGAの薬を飲もうというのも危険です。特にAGAに対し、プロペシア以上の効果があるとして人気が出ているザガーロは、女性は触れることも禁止されているほどのものです。男性用はやはり男性用、となっているのです。
それに、男性の場合薄毛では毛髪が育たない、女性では生えてこないという違いがあります。もともと男性と女性の薄毛になる理由は違いますので、女性専用の育毛剤を使うようにしましょう。
しかし、最近では男女兼用で使える育毛剤も増えてきています。どちらにも効果があるカプサイシンなどが含まれているものなど、副作用も心配ないものも出ているので、どうしても共有したいのであれば最初からそのつもりで選ぶと安心ですね。
2.甲状腺機能低下症
女性で、薄毛の症状のうち、1日平均で100本程度抜けるといわれる髪の毛が1日に300本程も抜ける、同時に目や口が浮腫んでいる。そんなタイプにあたる人は、抜け毛の原因が「甲状腺ホルモン」にある場合があります。甲状腺ホルモンは、骨を作ったり、皮膚を再生させたり、体温を維持する役目がありますが、毛髪を成長させる細胞を活性化させる役割も持っています。この甲状腺ホルモンが何らかの理由で減少し、毛が抜けたり浮腫んだりする症状が出ます。甲状腺ホルモンが原因の場合、薬を服用することで症状も良くなり、薄毛も治ります。薬の服用は続けることが普通ですが、途中でやめても薄毛が治る時もあります。また、甲状腺機能低下症かどうかは血液検査をすれば判断できます。
※甲状腺機能低下症-主な原因は、原発性、先天性、一過性、甲状腺の病気の治療後による、等があります。主な症状は、脱毛、疲労感、浮腫、太る、寒がるなどがあります。
3.円形脱毛症
これも薄毛の一種なのですが、男女共通して起こるのが円形脱毛症です。これは過度のストレスで起こるイメージが強いですが、実は自己免疫疾患によって起こる場合が多いようです。ストレスはあくまでも誘因する、というものに留まるようです。
円形脱毛症は1カ所ではなく数カ所に出ることもあります。その原因としては、本来細菌やウイルスなどから身を守るはずのリンパ球が、なぜか成長期にある毛包を攻撃してしまうこととなります。攻撃され、破壊された毛包は当然休止状態に入りますので、全く毛が生えなくなるのです。
これは自然に治ることの方が多いのですが、長期間続いていたり、あまりにひどい場合には治療が必要になります。これにも血管拡張作用のある育毛成分は効果を発揮してくれます。また、頭皮マッサージで血行を促進するのもいいでしょう。もちろん、病院で診てもらい、薬を処方してもらうこともできます。
いろいろな薄毛の原因がありますが、どれも諦めてしまわず対処法を探すことが一番大切です。何が原因か分からないと悩んでいるのであれば、皮膚科、または女性専門の窓口があるAGAの治療クリニックを訪問してみてくださいね。