スプレーを使って薄毛をカバーする

薄毛になったりはげてしまった時には、発毛や育毛の為の即効性のあるものはありません。魔法のように一晩で髪が生えることもありませんし、ドラえもんの道具のように一瞬で髪型が何とかなる、というものもありません。

ですが、薄毛を隠すといった意味で増毛スプレーがあります。カツラもすぐに準備できない、帽子も被れない、という場合にはかなり有効です。

 1.増毛スプレーのいろいろ

増毛スプレーといっても、大概は薄毛を目立たなくするためだけのものと、頭皮や毛髪のことを考えて作られたものがあります。前者のただ目立たなくするためだけのスプレーは、価格がリーズナブルなところが良いところですが、頭皮や毛穴への負担が大きく、切れ毛や抜け毛が増えてしまったり、場合によっては頭皮にダメージを与えやすいことがマイナス面です。

後者の頭皮や毛髪のことを考慮して作られたスプレーは、育毛剤などの成分が含有されて作られています。ただし、高価なので、長期間使用するのであれば金銭的に負担が大きくなります。基本的にスプレー剤は割高になるので、本当にここぞ、という時にしか使えないのが難点とも言えるでしょう。

 1-1.増毛スプレーの使い方

増毛スプレーは、頭髪に向けてスプレーし、毛髪に特殊な粉末を付着させて、髪の毛を実際より太く見せることが出来ます。薄毛を目立たなくさせる効果で髪が増えたような印象を与えます。気軽に使用でき、一時的でも薄毛が隠れるのが良い点だと言えます。

これはハゲではなく薄毛の方に有効なパターン。もともとある毛を太く濃く見せるのですから、髪の毛がないと思うようにはいかないというのが困ったところです。しかし、髪の毛を太く見せただけでは生え際や髪の分け目の薄毛は隠しにくいものです。地肌は健康であれば青白く、何らかの炎症があれば赤く見えます。日焼けしていてもせいぜい茶色くなる程度で、髪とのコントラストはどうしても大きくなります。どちらにせよ、髪の色は黒系なので、色のギャップから薄毛が目立つ場合があります。その場合の対策として、頭皮にスプレーするという方法があります。

頭皮に直接吹きかけることで色を付ける形になるのですが、あまり上手にくっつかない場合もあります。そのリスクは承知した上で使用しましょう。

 1-2.メリット

増毛スプレーを使用する上でのメリットは、即効性にあります。一時的な使用には手軽な方法です。一瞬で髪を増やすことができるので安心です。そしていつでもどこでも利用できるのがメリットと言えるでしょう。

 1-3.デメリット

髪にスプレーする場合は髪を太くするだけなのであまり問題はないと思いますが、頭皮にスプレーした場合、頭皮や毛穴への影響は考えられます。コーティングが強いものは、落とすときにしっかり洗わなければ落ちないので、地肌や毛髪に負担がかかります。洗い残しがある場合が多く、頭皮環境の悪影響が考えられ、抜け毛が増える心配があります。

特に長時間放置したままにする時にはどうしても毛穴がふさがりやすくなるのです。乾燥なども厳禁です。コーティングの力が強いものだと乾燥しても落ちにくく、本当に洗い流したい時にもうまく落とすことができなくなってしまうのです。

逆に、コーティングがそれほど強くないものは、雨や水に弱く、濡れて落ちてしまうことがあります。例えば急な雨が降って来た、汗をかくようなことが起こった、という場合には、昔の女性のメイク同様、ドロドロと流れ落ちてしまう危険があります。そうなるともう薄毛の隠しようがないので、そのリスクは考えて使用する必要があるでしょう。一度バレてしまうとさすがに二度目に毛が増えていると「あれ?」と妙な視線を受ける可能性があります・・・。

 1-4.頭皮環境を考えながら使う

一時的に使いたいのであれば、増毛スプレーはとても便利です。ちょっと隠したいだけなら、手軽に使用できます。ですが、根本的には薄毛の対策にはなりません。スプレーは一時的に髪を増やすだけで、その中に育毛成分が山のように入っているわけでもないからです。

本気で薄毛を改善しようと思えば、やはり、食生活の見直しや生活習慣の改善、運動やマッサージなどで血行を良くし、体の中から発毛する環境を整えることが必要です。そして、育毛シャンプーや育毛剤を使って頭皮環境を良くしていきます。ヘアサイクルを整えることが大事なので、時間はかかります。それと併用して増毛スプレーを使うということが、ベストなのかも知れません。


 2.髪を直接増やす方法

増毛スプレーは毛髪に直接スプレーして髪が増えたように見せるものでしたが、髪の量を増やす、という目的で、増毛と植毛という方法があります。それぞれについて少し詳しく説明していきましょう。
<増毛とは>
自毛に複数の人口毛を結びつけたり、付着させたりするものです。自然に近いスタイルが望めますが、人工毛を付けられた自毛に負担がかかってしまいます。好きな量に増やせることもメリットのひとつですが、髪が伸びてきたり、自然に抜けてしまったときなどはもう一度施術が必要になってきます。

マープなどが有名ですね。もしもAGAにかかっていてどんどん薄毛が進行しているのであれば、平行してAGA治療を行った方が得策です。でないと、せっかく結び付けたものと髪がどんどん抜け落ちていく可能性もあります。そうすると高いお金を出してやったものが一瞬にしてムダになってしまいます。髪の毛はただ一概に増やせばいい、というものではないのです。

<植毛とは、>
頭皮の毛穴に人毛や人工毛を植え付ける方法です。自分の毛を植え付ける方法が理想で、もっとも確実性の高い薄毛の解消法ですが、化膿したりする場合があります。また、拒否反応を示すこともあります。

これも実際の話はAGAにかかっていると、せっかく植毛した髪の毛も抜け落ちていく可能性があります。

AGAというのは頭皮だけの問題ではなく、体内のホルモンの問題です。遺伝子に組み込まれているため、一度発症すると一生涯続きます。そのため、AGAにかかっていると診断され、治療を開始したら内服薬とは一生のお付き合いになる、と考えてもいいでしょう。

AGAの薬であるプロペシアやザガーロは、男性ホルモンをジヒドロテストステロンに変換させてしまう5αリダクターゼの働きを阻害してくれる効果があります。ジヒドロテストステロンは強力な脱毛ホルモンなので、毛がどんどん育たずに抜けていくのです。そしてそのもととなる男性ホルモンは体内でどんどん作られます。そして5αリダクターゼも同様です。ですから、このどちらかをストップしない限り、抜け毛が続いていくことになります。

この5αリダクターゼは頭頂部や生え際の部分の毛乳頭に存在するため、その部分だけがどんどん薄毛になっていくと言われています。男性のハゲは2種類に分けられますが、その理由がこれです。体内での生成が続く限り、増毛、植毛した髪はいつか抜け落ちていくかもしれません。そうなる前に、きちんとAGAの診察を受け、治療を始めてみてはいかがでしょうか。増毛スプレーを大量に買い込んで使用するよりは建設的なのではないでしょうか。