たばこの害は知られていますが、薄毛の原因のひとつにもなっています。現在は男性ばかりでなく、女性の喫煙者も多くなっています。たばこに含まれる「ニコチン」は血管を収縮させる働きがあり、脱毛を促進すると考えられています。
1.喫煙は薄毛になる?
たばこを吸うとどんな害があるのでしょうか?たばこには、ニコチン、一酸化炭素、シアン化水素などの有害物質があります。これらの物質は尿などで排泄されますが、身体に蓄積するものも多く健康に悪影響を及ぼします。
1-1.ビタミン不足
<ニコチンによるビタミン不足>
ニコチンは、体内のビタミンを破壊します。ビタミンCには栄養の吸収を助ける働きがあります。ビタミンEには血行を正常に保つ効果があります。
1-2悪玉コレステロール
<悪玉コレステロールの増加>
また、喫煙は、血中の悪玉コレステロールの量を増加させます。増えた悪玉コレステロールを減らすため、対抗成分であるタウリンが生成されます。タウリンは、メチオニンというアミノ酸を消費して生成されます。髪の成長にも欠かせないメチオニンがタウリンを生成することで使われてしまい、育毛にも影響していきます。
1-1.血行不良
<有害物質による血行不良>
タバコの成分であるニコチンが体内へ入りこむと、自律神経を刺激し血管を収縮させます。一度血管が収縮すると、血圧が上昇して元に戻るまでに時間がかかります。そうすると、血流が悪くなり、血行不良に陥ります。血液は酸素や栄養を身体に送る役割がありますが、血行不良になると隅々までそれらを運ぶことができなくなります。
血液は身体を回って頭皮に到着するので、毛根までには十分な酸素や栄養が行き渡らずに毛母細胞の活動が阻害されます。結果、髪は成長できず、細くなったり抜け毛が増え、ヘアサイクルの中の休止期が長くなって薄毛になります。
このように、たばこは髪の成長に必要な栄養や酸素の供給を妨げることによって、髪の成長を阻害し、抜け毛を増やしてしまうのです。
2.禁煙で毛が増える?
喫煙が頭皮環境にも悪影響を及ぼすことが分かりましたが、薄毛を解決するにはやはり「禁煙」をすることが良いのでしょうか。
2-1.禁煙
<自分に合った禁煙を始める>
いきなり禁煙をすると、かえってストレスとなり抜け毛が増えてしまうかも知れません。少しずつ本数を減らすことから始めましょう。市販の禁煙パイプや禁煙タブレット等を利用することも良いと思います。
喫煙外来のある病院で治療を受けることも、たばこを止める一つの手段です。「ニコチン依存症」だと診断されれば、保険が適用されます。
2-2.無添加
<無添加タバコに変えてみる>
たばこには多くの添加物が入っています。添加物には、喫煙を依存させる作用のあるものも含まれています。依存度を減らす目的で、無添加のたばこに変える方法もあります。しかし、たばこを止めなければ意味がないので、無添加のたばこに変えても、少しずつ吸う回数を減らしていきましょう。
2-3.生活習慣
<お酒が好きな人は少し控えて>
喫煙する人の多くは、お酒を多く飲む傾向があります。たばことお酒の組み合わせは、より悪影響を及ぼします。お酒も適量なら血行を促進し、身体に良い影響を与えますが、過度の飲酒は肝臓に負担をかけて臓器への血流を促進させ、髪への栄養供給の妨げとなります。薄毛や抜け毛を無くしたいのであれば、生活習慣を見直し、喫煙と共に飲酒の量も減らしていきましょう。